阿佐ヶ谷駅前特集|杉並時間

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阿佐ヶ谷文士が集った記憶が残る町

新宿駅から中央線快速に乗って10分足らず、阿佐ヶ谷駅も高円寺駅同様設置から今年で100年になります。

関東大震災以降、中央線沿線の杉並区は急速に市街地化が進みました。

昭和初期、震災で家を失った人たちが多く移り住む様になると、文士達も多く集まってきました。文士というのは今で言えば文筆家、コラムニストや小説家などを指します。

荻窪に移り住んだ井伏鱒二を中心に、阿佐ヶ谷に文士たちが集まり戦前は将棋の会、戦後は飲み会をするなど1970年くらいまで続いたとか。

阿佐ヶ谷文士村というのはそういう歴史から呼ばれるようになりました。

今でも個性的な古本屋が商店街に残っているのも文士村の名残りかも知れません。

阿佐ヶ谷周辺では縄文の遺物も発見され、古くから人の営みがあったことがわかります。

屋敷林が残る住宅街や、けやき並木に縁取られた中杉通り、水路跡遊歩道と歴史と自然が今も隣り合って残されています。

商店街も充実し、七夕まつりやジャズフェスティバルなどのエンターテインメントも盛んです。

文化的な落ち着きと活気が混じりあって、阿佐ヶ谷の景観を作っています。

阿佐ヶ谷駅周辺

阿佐ヶ谷パールセンター

けやき並木と並行するパールセンター商店街は、古くは「権現みち」と呼ばれ、北は子の権現、南は堀之内妙法寺に繋がり、大勢の人が行き交う参道でもありました。

今でも残る庚申様やお地蔵様に当時の名残りを見ることが出来ます。

昭和30年代にはアーケードができ、入れ替わりはあるものの、当時からのお店も健在です。

毎年8月に行われていた七夕まつりでは、各店舗のハリボテや賑やかな七夕飾りが夏の風物詩となっていました。

❶駅からすぐ、ドームが特徴的なパールセンター入り口。よく見ると織姫と牽牛のモチーフが!
❷パールセンターに今も残る「権現みち」の名残り。
❸2017年8月の七夕まつり@阿佐ヶ谷パールセンター

阿佐ヶ谷神明宮

都内でも最大級の伊勢神宮勧請神社として年間を通し、参拝者が絶えません。

境内の清々しい空気に背筋が伸びます。誰でも参加できる神事や七五三、結婚式などの節目行事にも対応し、境内での撮影を見かけることも。

植木市、骨董市なども開催され、地域コミュニティを支える場として、多くのひとに親しまれています。

寿々木園

駅からほど近い住宅街に、釣り堀があるってご存知でしたか?

大正13年、当時の日本閣で働いていた曽祖父が、この地に日本庭園に倣った釣り堀を作ったとか。

複数の池にはそれぞれ金魚、鯉が泳ぎます。

平日は常連客が静かに釣りを楽しみ、週末はカップルや家族連れで賑やかな隠れたレジャースポットになっています。

古書コンコ堂

落ち着いた店内には文学から絵本、サブカルチャーにアート関係と幅広いジャンルが揃っています。

柔らかい照明、棚に置かれたアンティークがおしゃれ。

多種多様な本棚からはかつて阿佐ヶ谷文士村と呼ばれた文化的空気が伝わります。

新刊書やアーティストのzineも置かれ、散歩の途中につい立ち寄りたくなる古書店です。

ザグリ珈琲

松山通りにある珈琲ロースター。

最高品質の珈琲生豆を店内のオランダ製焙煎機で焙煎。

自家焙煎珈琲豆販売のお店ですが、淹れたての珈琲をその場で味わうこともできます。

焙煎教室も行われているので興味がある方にはおすすめです。

店名のザグリは組紐作家である店長にちなんだもの。

作品は店内で見ることができます。

ラピュタ阿佐ヶ谷

開館は1998年11月。

木立に囲まれた建築が印象的です。

地下には小劇場、2Fには映画館があります。

当初はアニメ映画の上映が主でしたが、現在では日本の古い娯楽映画などが上映される名画座として人気があります。

3・4Fにあるフレンチレストラン「山猫軒」では素材にこだわったお料理やワインが楽しめます。

gion

阿佐ヶ谷駅からすぐの喫茶店gion。

植物に縁取られた漆喰の外観は今ではすっかり街のランドマークに。

店内には本物のブランコを使った席もあってユニークだけど、不思議と落ち着きます。

珈琲はもちろん、丁寧に作られ提供されるメニューのあれこれは、ちょっと一息から空腹時まで一人一人のニーズに応えてくれる町の喫茶店です。

けやき並木

阿佐ヶ谷駅を中心に南北に伸びる中杉通りは、別名けやき並木とも言われています。

特に駅から青梅街道までの道の両脇の大きな欅は歩道を覆い、夏には柔らかな木陰を作ります。

通りには様々なお店が連なり、散歩や買い物の合間に一息つける並木道です。

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